小泉進次郎「現金給付」に言及した理由とは？

小泉進次郎氏が言及「現金給付」発言の背景と今後の可能性

2025年5月18日、自民党の小泉進次郎前選対委員長は、甲府市での講演で「現金給付」に言及しました。現在の日本経済における物価高と賃上げの格差、そして低所得者層への対応が急務である中、なぜ「現金給付」が再び注目されているのでしょうか？

小泉氏は講演で「消費税減税はシステム改修に時間がかかる」と述べ、即効性のある対応として「現金給付」の可能性を示唆しました。

実際に消費税率の変更には、全国のPOSシステムや税関連のインフラ整備が必要で、最低でも数か月を要するとされています。これに対して、現金給付は事務手続きさえ整えば比較的早く実行できるのが強みです。

小泉氏が特に強調したのは「賃上げの恩恵が届かない層」への支援です。たとえば年金生活者や非正規雇用者、単身世帯など、物価高の影響を直接受ける人々です。

これは2020年のコロナ禍での一律10万円給付の反省も踏まえて、「本当に困っている人」に限定して支援を行う方向性と合致しています。

与党内では「バラマキ」との批判もあり、慎重な声が少なくありません。石破首相も「赤字国債には慎重」とコメントしています。

一方、国民民主党や立憲民主党は時限的な消費減税を主張。玉木代表は「取って配るより、最初から取らない方が合理的」と述べ、選挙戦略も見据えた発信が目立ちます。

現時点で「現金給付」が確定した政策ではありません。小泉氏自身も「私の考えではなく、国会の議論状況を説明しただけ」と述べています。ただ、低所得層支援を求める声が大きくなれば、与党内でも再検討される可能性はあるでしょう。

政治家の言葉に一喜一憂するのもいいですが、いつ実現するかわからない給付を待つより、日々の支出を見直す方がすぐ効果が出るかもしれません。小泉氏の発言よりも、自分の家計簿の方が即効性がある――それもまた現実です。